先のブログでもご紹介しましたが、10月末の土日二日間に渡り、高知駅前に維新号を据え置き、車内で一絃琴の演奏を行いました。
今年は、幕末維新博が二年目を迎え、昨年度に引き続き各地で幕末にちなんだイベントが開催されています。
当会でも、滅多に走らない7型維新号で何かできないか、ということで、車内で幕末、そして、7型が走り始めた明治30年代頃に高知でもっともポピュラーだったと思われる楽器・一絃琴の演奏をすることにしました。
幸い、当会には一絃琴演奏者が2名在籍、二日間に渡って、幕末から明治を偲んでいただけるイベントを開催することができました。
初日は、先のブログの通りですが、幕末にちなみ、150年以上前の一絃琴を用いた演奏が行われました。
この琴は、『サシゴト』と呼ばれる三分割になるもので、京都由来のものだそうです。
横に並べた平成のお琴とは音が明らかに違い、開放弦を合わせると他はほぼ半音高い音。
ご来場の方には、幕末から明治にかけての旋律を聞いていただくことができました。
曲目は、幕末の志士も奏でたであろう『須賀曲』、実は明治になって作られたのに『竜馬がゆく』にも紹介されている『土佐海』と『漁火』、の3曲を演奏しました。
2日目は、都合により演奏者が一名だったので、お客様ご来場の都度、お客様の持ち時間に合わせた曲を9曲の中から選び、演奏しました。
秋たけなわ、ですが、『春調』という長めの曲の演奏もしました。
これは、坂本龍馬の仲間である門田為之助の父、門田宇平の作詞です。
この門田宇平が、京都で一絃琴を習い、土佐に持ち帰りましたので、『春調』は土佐の幕末に最もゆかりのある曲です。
今回、当会初の車内ライブイベントでしたが、二日間で約120名のお客様にご来場いただきました。
維新号そのものも珍しい、と喜んでくださった方が多く、いろいろな質問がありました。
また、一絃琴については、高知に住んでいても実物を見たことが無い、という方がたくさんおられ、県外からいらっしゃった方にも一本の絃でいろんな音が出せることを目前で体感していただき、土佐の幕末から明治にかけての文化の一端を見ていただくことができました。
両日とも、どちらかというと車両の説明を聞かれる方が多かったので、それだけ、維新号への関心の高さが伺えるものでした。
車両だけが目当ての方には車内の機材などが邪魔だったようで申し訳なかったですが、イベントの趣旨をご理解いただければ、と思います。
(文責・田村事務局長)