平成
29年6月23日(金)、とさでん交通桟橋車庫及び周辺部で実施された標記訓練をとさでん交通様から当会にご案内をくださいましたので、参加させていただきました。 季節は梅雨期ですが、真夏を思わせる陽気の中、とさでん交通社員さんの司会で10時ちょうどに訓練開始が宣言され、片岡社長の挨拶や明神執行役員の訓示等がありました。その中で「とさでん交通としては3回目の津波避難訓練だが、これまで12月に実施してきた訓練を事故復旧訓練として、今回から6月に実施する訓練を防災訓練とすることとし、あわせて年に2回の訓練を行う。また、訓練は繰り返し行うことが重要。」と言う趣旨の説明がありました。
訓練の最初として、緊急地震速報を受信した本部から実際に走行中の高知駅前桟橋線を走行中の電車=一般の客様を乗せた営業中の電車に「緊急地震速報を受信した。ただちに安全な場所に停車し、乗客の怪我人や被害の状況を報告せよ」と指令が飛びました。しばらくすると運転士さん(201号と1002号)から本部へ「怪我人や被害状況の報告」が入りました。
営業中の電車と言うことで、乗車されたお客様のご協力(ご理解)を得て実施されたと訓練終了後に伺いました。たまたま乗り合わせたお客様はびっくりされたと思いますが、とさでん交通様がこの様な訓練をしているとわかれば安心して利用できると感じたのではないでしょうか。
次に、来賓の方々を対象にしての避難誘導訓練が開始されます。訓練には630号が使用されました。四国運輸局をはじめ沿線自治体の担当者、桟橋通5丁目町内会の方々も630号に乗車します。
630号は車庫内で訓練参加者乗車後桟橋線へ。本線に出た後エンド交換して桟橋車庫前電停へ向かいますが、その移動中に緊急地震速報を受信し、ただちに乗客は頭を低くして怪我を防止する体制を取りました。安全な場所に停車後、運転士が便乗中の運転士の協力を得ながら乗客の被害状況を把握し、本部との無線交信を試みます。実際には電車は揺れませんでしたが、割れたガラスで頭を切った、転倒して足を挫いた?乗客(社員さんの一部は怪我人役)が出たとの想定で訓練は進みました。
避難のために電車から早く離れたいとする乗客(これも社員さん)から「早く逃げよう。早くドアを開けろ(全て土佐弁でしたが、うまく書けません)」と催促の声が運転士にかけられます。
本部へ怪我人等の報告後、津波避難ビル(港湾合同庁舎)へ運転士さんの誘導で移動し、到着後は四国運輸局の方の講評をいただいて訓練終了となりました。
訓練終了後は、本社3階で地震関係のパネル展を見学させていただきました。
避難訓練に参加してみて、緊急地震速報を受信後に緊急停車するのはわかりますが、電車の揺れが始まる前にパンタグラフを降下しないのは何故でしょうか?地震で車体が揺れるとともにパンタグラフが架線から離線、架線も揺れているので何かのタイミングでパンタグラフの舟が架線よりも高く上がり、架線に引っ掛かって被害が大きくなると言うことは無いでしょうか?パンタグラフが架線から離線したときにアークも発生します。
また、電車の停止位置よりも海に近い津波避難ビルへ避難するのは、心理的に適当ではないと感じました。
(写真 文責・すべて谷澤良二氏)